猗窩座の術式展開の元ネタと意味|雪の結晶の構えと恋雪への愛が招いた最期の正体
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なぜこれほどまでに恋雪の記憶が血鬼術の根幹を成しているのか。その理由は、狛治が歩んだあまりにも過酷な半生にあります。
江戸時代の貧しい家に生まれた狛治は、病弱な父親の薬代を稼ぐため、幼少期からスリを繰り返す「罪人」として扱われてきました。奉行所で何度も腕に罪人の入れ墨を彫られ、人々から「雑草」のように忌み嫌われる日々。しかし、父は「息子にこれ以上罪を重ねさせたくない」と自ら命を絶ってしまいます。
絶望し、怒りのままに街で暴れ回っていた狛治を圧倒的な武術でねじ伏せ、温かく迎え入れたのが、素流道場の師範・慶蔵(けいぞう)でした。慶蔵は狛治に、病で寝たきりの一人娘・恋雪の看病を託します。最初は戸惑いながらも、父親の看病経験があった狛治は献身的に恋雪を支え続けました。
ある夜、咳き込んで苦しむ恋雪の背中をさすりながら、「自分がずっとそばにいる」と励ました狛治。時が流れ、健康を取り戻した恋雪と狛治は、祭りの夜に打ち上げ花火を見上げます。夜空を彩る大輪の花火の下で、恋雪は泣きながら「狛治さんと夫婦(めおと)になりたい」と想いを告げました。罪人だった自分に居場所をくれた慶蔵と恋雪のため、狛治は「誰よりも強くなって二人を生涯守り抜く」と固く誓ったのです。
ところが、幸せの絶頂にあった彼らを理不尽な悪意が襲います。素流の道場と恋雪を狙っていた隣の剣術道場の跡取りたちが、井戸に猛毒を投げ込んだのです。狛治が父の墓参りへ出かけている間に、慶蔵と恋雪は血を吐きながら絶命しました。素手で67人もの門下生を惨殺し、血の海の中で立ち尽くす狛治の前に現れた鬼舞辻無惨によって、彼は鬼「猗窩座」へと変貌させられました。